脳卒中
脳卒中
脳の血管が狭窄して細くなったり(脳血栓症)、血栓が飛んできて詰まらせたり(脳塞栓症)、脱水や血圧低下にて脳の血流が減少したり(血行力学性脳梗塞)、脳細胞が虚血性壊死を起こしたものを脳梗塞と言います。
脳動脈に虚血性壊死を起こした場所によって運動・感覚障害、呂律緩慢、顔面麻痺など多様な症状が出現します。
虚血時間が短く、血流が早期再開した場合は脆弱な神経細胞は壊死しますが支持細胞は残存する為、組織としての原型を留め、MRIにても梗塞巣が不明瞭となります。
長時間脳血流が停止した場合は神経細胞も支持細胞も壊死し、組織原型を留めず崩壊し消失しMRIなどにて陳旧性梗塞として現れます。
進行様式にて約40%は症状が24時間以内に消失し改善を認める一過性脳虚血発作(TIA)、約20%が数時間~数日で症状が進行する進行卒中、約40%は症状が残存し、症状が軽症なものをminor完成卒中、重症をmajor完成卒中と呼びます。
急性期治療は高血圧・脳浮腫の管理、血行再開治療、再発予防治療、脳保護治療がおこなわれます。
慢性期には再発予防目的として抗血小板療法や抗凝固療法がおこなわれ、生活習慣病の治療や脱水への注意が重要となっています。
動脈硬化により脆くなった脳血管に高血圧による強い圧力がかかり、最終的に破れて脳内で出血を起こした状態です。
出血は固まり一塊の血腫となり、周囲の正常組織を直接圧迫し麻痺や感覚障害、失語などが出現し後遺症を伴うことが多く、最悪の場合は命にかかわることとなります。
脳の血管は脳の隙間(くも膜の中)を走行しています。
脳の血管にコブ(動脈瘤)が生じると、時に急に破れ出血し脳の隙間に広がります。
これが、くも膜下出血です。
急激に頭蓋内圧が上昇し突然の激しい頭痛、吐き気、嘔吐が特徴的で意識障害を認めることが多く死亡率の高い疾患です。
発症数日前にminor leak(警告頭痛)が生じることもありますが片頭痛と誤診され易いです。
クモ膜下出血を発症する前に脳ドックで未破裂脳動脈瘤を発見し大きさ、部位、形から破裂危険度と照らし合わせ、開頭クリッピング術や血管内治療にて破裂予防治療を受けることが重要です。
脳卒中の予防・早期発見には脳ドックが有効です