認知症・正常圧水頭症
認知症・正常圧水頭症
認知症とは意識障害のない状態で、一度確立された知的機能が何らかの原因で障害され、
記憶障害(物忘れ)や判断・思考力・一般情報処理能力の障害、情動・意欲・社会行動の障害が6か月以上持続すると定義されています。
認知症には記憶障害(物忘れ)が必須と考えられていましたが、前頭側頭型認知症や初期レビー小体型認知症のように記憶障害(物忘れ)を認めないことも多く、必須ではありません。
言語障害・知覚運動障害・社会的認知障害のうち1つ以上が障害され日常生活に支障が生じている状態にて診断されます。
認知症予備軍である軽度認知症(MCI = mild congnitive impairment)は上記障害のうち1つ以上が軽度障害されてはいるが日常生活に支障を認めない状態を言います。
認知症には単なる加齢による良性健忘と、軽度認知障害(MCI)、および認知症の初期段階の場合とがあります。
認知症にもアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあり、各種状況に応じた対応方法や進行予防薬があります。
また、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などによる認知症は外科治療(手術)にて治療することが可能です。
したがって認知症のタイプを採血や画像検査にて明確に診断することが非常に重要です。
「物忘れ」が心配な時は、まずは受診をお勧めいたします。
上記にチェックがつく場合は認知症を疑って受診を推奨
アルツハイマー型認知症(AD)では内側側頭部(海馬傍回、海馬、扁桃)の選択的灰白質容積減少を捉え早期診断が可能です。
しかし視覚的容積減少を捉えるのは早期では非常に困難です。
VSRADはコンピュータを用いた統計画像処理を行い正常データベースと比較した側頭部容積と良好な相関を示す内側側頭部のZ scoreを算出します。
アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の鑑別診断を支援する参考指標となる。
具体的にはZ score 2以下である認知症患者に対してADとDLBの鑑別を考慮するか否かを検討する際に用いる。
《灰白質》VOI間萎縮比=《灰白質》背側脳幹VOI内萎縮度/《灰白質》内側側頭部VOI内萎縮度
《白質》VOI間萎縮比=《灰白質》背側脳幹VOI内萎縮度/《灰白質》内側側頭部VOI内萎縮度
の値が共に0.2以上の場合にDLBの可能性があると判断する。
正診率は7割程度。
運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーは、認知機能検査等を受けなければならないとされています。
認知機能検査等は、運転免許証の更新期間が満了する日の6か月前から受けることができます。
認知機能検査の対象となる方には、運転免許証の更新期間が満了する日の6か月前までに認知機能検査等の通知が警察から届きます。
認知機能検査は、記憶力や判断力を測定する検査で、手がかり再生及び時間の見当識という2つの検査項目について、検査用紙に受検者が記入し、又は検査に必要なソフトウェアが搭載されたタブレットに受検者がタッチペンで入力して行います。
記憶力を検査するもので、一定のイラストを記憶し、採点には関係しない課題を行った後、記憶しているイラストをヒントなしに回答し、さらにヒントを基に回答します。
時間の感覚を検査するもので、検査時における年月日、曜日及び時間を回答します。
検査終了後、採点が行われ、その点数に応じて、「認知症のおそれがある方」又は「認知症のおそれがない方」のいずれかの判定が行われます。
検査結果は、書面(はがき等も含む。)で通知されます。
また、検査の結果、「認知症のおそれがある」と判定された場合には、公安委員会(警察)から連絡があり、臨時適性検査又は診断書提出命令により医師の診断を受けることになります。認知症であると診断された場合は、聴聞等の手続を経た上で免許の取消し又は効力の停止を受けることとなります。
現在、75歳以上の方の運転免許更新時には認知機能検査が行われています。100点満点中49点以下の場合は、医師が「認知症ではない」と診断すれば、運転免許の更新ができる制度になっています。